リバースプロダクツ×生駒さちこ 『私と子どものなんでもバッグ』

イラストレーターの生駒さちこさん親子に、Re:VERSE PRODUCTSのアップリケを使ってカバンを作ってもらいました。お子さんと一緒に作ったカバンは、物語がたっぷり詰まった素敵なものになりました。


 

生駒さちこ(イラストレーター)
セツ・モードセミナー卒、神戸在住。
水彩での空気感のある絵が得意。
近年、鉛筆によるドローイングにも力をいれています。
個展やグループ展にて毎年作品を発表。


あるイベントでRe:VERSE PRODUCTSの塗り絵がアップリケになるワークショップを体験しました。
できたアップリケを貼って、世界に二つとない自分だけのデイバッグを作った喜びは大きく、娘の大のお気に入りとなり、以来、春になるとお風呂場で自分でお洗濯してもう3年使っています。

 

保育園で毎日使っていたデイパック。最近ではスモールサイズなので荷物が入りきらないこともあり使うシーンが少なくなっていますが手放したくないみたい。
お洋服はサイズが合わなくなったらお下がりで誰かにもらってもらっても、これだけは絶対やめてと言われています。
そんな経験があったので、新しいカバンを持つなら、ものを大切にする心も育ってくれたらという願いも込めてやっぱりどこかオリジナルにしたいという思いがありました。

 

もう娘も2年生。成長とともに少しずつ行動範囲も広がり、同時に荷物も増えるのです。内容も日によって様々。
公園で遊んで、図書館に寄って、習い事へ。なんて日もあり、着替え・タオル・水筒、返す本、習い事の用意、そしておやつ。人形やおもちゃを持ち運びたいこともあります。バッグをいくつも持つとどれか忘れそうだし、全部をぽいぽい入れられてスケッチブックも入るような大きなバッグがあったらいいなあ。できたら肩にもかけられて、使わない時はたたんで収納できて、、、と思ってお店を見るのですが、なかなか理想のバッグが見つかりません。


うーん、ないなら作っちゃう?といつもの発想に至るものの、バッグって、、作ったことないなあ。ハードル高いかなあ。
と思案しているところでこんな本に出会いました。

直線だけで作れる…?
これなら、できる、かも?!

 

パラパラとめくってみると、なんだか出来るような気がムクムク。
カットもミシンも直線のみ。時間のある週末の一日があればできそうです。
ねえねえ、こんなのあったら良くない?と声をかけると、いいねえ、と娘も乗り気。
これで、いっぱいアップリケ貼ってかわいいの作ろうか。
うん!

 

どれ作るー?
青が好きだから青いバッグがいいな。
いつも使いたいから好きな色で。
でもお洋服と合わないとか出てくるかな。
やっぱりおしゃれは考えたいよね♪
ベージュだったらどうかな。
そんな会話をしながら本をめくります。


リバーシブルで楽しめる、共布の肩ひも付きトートバッグを発見。
ねえ、これ裏返しても使えるんだって。
表が青で、裏がベージュってどう?
いいんじゃない?
日によって使い分けるの。
アップリケもいっぱい貼れるよ。
へえ、いいねえ。
ということで、リバーシブルバッグを作ろうということになりました。

 

何を作るか決まったので次は素材選びです。
汚れたら洗える、はマスト。手触りも大事。
コットンもいいけど、少ーしハリがあるほうがバッグとしても使いやすそう。
適度に撥水してお洗濯するほどにきれいな色落ちでさらっと馴染んでいくリネンか、丈夫なデニム地がいいかなあ。
デニム調の丈夫めのリネン、なんてあると最高だけど。と思いながら布屋さんで布選びすることに。

 

じっくり探して、今回も希望にぴったりの布地を発見!
布の色に合わせた糸も用意して。。
準備OK!

 

さあ材料もそろったのでいよいよ制作。
持ち手と肩ひもの色をベージュかブルーで迷いましたが、今回初めての制作だしレシピ通りに作ってみます。
ということで持ち手は全部ブルー。
糸がブルーなのでベージュ側のポケットにブルーのステッチが見えるのもあるし、いい感じ。

 

測って切って、縫って、としている横で娘が楽しそうに物語を考えています。

 

リバーシブルバッグだから、表裏、前うしろ、4つのお話を作ろう♪
かわいいワッペン迷ってたくさん選んで、あのね、あのね、と教えてくれた物語は…
ひとつは、リスちゃんが赤ずきんちゃんに、くるみをハイどうぞ、ってしてるところ。

 

ここは、みんなで海に遊びに来たら、ライオンがガオー。
ダメダメ!ってクマさんがイルカとペンギンを守ってる。

 

こっちはポケットだから、追いかけっこする子鹿さんと犬がのぞいてて、仲良しの小人さんが手をつないでいるよ~


そして一番のお気に入りはこれ。
王女さまお月さまですよ~ってバレリーナがおしえてあげるんだけど、王女さまはネコに夢中でお花をプレゼントしてる、っていう場面。

 

どんな物語なの?教えてよ、ってもし誰かに聞かれたらね、仲良くなったら教えてあげる。急に聞かれても答えないよ。
わたしのお気に入りは、このブルーのお姫様の面を外側に見せて使うの。ポケットからのぞいた小人さんとわんちゃんがちらっと見えて、かわいいでしょ。
得意顔でお話してくれました。

 

猫がじゃまをしますが…

 

ねえ、アイロン手伝ってみる?
えー、初めてだなあ。でもやってみる。
熱いからね、気をつけて、当て布をして、、ぎゅーーーっとするんだよ。
わあ、くっついた。
アイロン初めてだね。またひとつおねえちゃんになったかなー?

 

いよいよ完成間近。ここでもうひと味。

 

残りの布でポケットにリボンをつけて…
かわいくなった!

完成!

 

大人にも大きめのバッグ、子どもにはちょっと大きすぎたかな?
でもこれくらい大きいと、たくさん入っていろんな時に使えてかなり便利です。
これでバラバラと増える荷物をひとつに整理して持てるね。整理整頓、がんばろうね。

 

今日はいとこと公園へ。水筒とタオル、そしておやつを持って、行ってきまーす。

 

こうして世界にひとつの、わたしと子どもの『なんでもバッグ』ができました。
大きくなってこの肩ひもが身体に合うようになる頃、
ワクワクしながらかわいい物語と一緒にバッグを作った日のこと覚えているかなあ。
小さい背中を見送りながらふと思ったりします。
お気に入りのバッグ、汚れたらお洗濯してもし壊れたら直して、
長く大切に使ってくれますように。